「数学的思考の技術」

「仕事も頑張ってることだし、自分へのごほうびに万年筆を買おうか」
「でも、世の中は不況だっていうし、これから先のことを考えればムダ遣いはだめだよな」
「でも、ネットだったら安くかえるかも」
「もう少し待って、値段が下がったら考えるか」

などと、些細のことで悩んでいるわけですが、私たちは、日々、さまざまなことの決断を迫られます。こんな些細なことから、仕事上の重要なことまで、どれが正しい決断なのか、判断しなければなりません。

なにか確固とした指針があれば助かるのですが...。

最近は大人の人が数学を学び直すための本が売れているそうです。この本もそのようなジャンルの本です。

「数学的な思考の技術 - 不確実な世界を見通すヒント」
(ベスト新書)
小島寛之(著)

 

読み始めると、
「相手を自分の思い通りに動かすには」
「給料が上がらないのはなぜか」
「人に本音をいわせるテクニック」
・・・
などのテーマを難しい数式を使わずに、わかりやすく書かれています。

たとえば、給料が上がらないのはなぜかでは、会社の儲けをどのように分配するか、会社の経営にはリスクが伴いますので、そのリスクを誰が負うか、社員はできるだけ不安定な状態は避けたいので、少し少なくても固定給を希望するからだ、ということです。さらに、不況が起こるメカニズム、それに対してどういう考え方ができるのかということも紹介されています。不況の定義をあらためて考えたことがなかったので、この本を読んでとても新鮮でした。

これから先のことを考えると、収入はどうだろうか、自分の年金はどうなるんだろう、子供たちの将来はどうなるんだろうと、悩みはたくさんありますが、そんな中で、思考するツールとして「数学」があり、不確実な世の中を生きるためには、このような論理だったモノの見方が大切なのだと思います。