法務局に地図があっても立会が必要?

これまで、土地の境界については法務局に備え付けられている地図や地積測量図を確認する必要があるというお話をしてきました。
お隣が分筆登記をするためとか市役所が道路を拡幅するためとかで、「境界の立会いをお願いします」と言われて、立ち会って確認することがあります。
でも考えてみると、法務局に地図があるはずなのになぜ、わざわざ仕事の休みをとって立会までしなければならないのかという疑問がわいてきます。

法務局の地図も地域によって、明治時代にできた地図しかない場合もあります。昭和50年代以降に測量された、比較的新しい地図もあります。

地図は、それを作成する時に測量の精度や縮尺を定めて作業を行います。これが地図の品質ということになります。どんな工業製品でもある程度の余裕が定められていて、その余裕の範囲内であれば合格したとして世の中に送り出されるわけで、地図についても同様です。

この地図を利用する者は、この余裕のことを考えて仕事をしなければなりません。
たとえば、地図から見た境界が現地のブロック塀と5cmの差があったというような場合に、その地域の地図が10cmの余裕がある品質である場合には、地図の余裕からくるものなのか、ブロック塀がずれているものかを確認しなければ境界と判断することができないのです。

実務では、その点だけでなく周りの状況や地域性、地図が作成された年代などの性質、地図以外の資料など複合的に考えて判断していきます。
そして、最終的にお隣どうしで、実際に現地で境界を確認していただいくことになります。

土地問題
どこが境界かは周りの状況などを複合的に考えなければならない

 

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