土地家屋調査士は土地や建物の調査をする関係で、現地で測量をしておりますと「測量屋さん」といわれることがよくあります。一般の方からすれば仕事の中身がわからないわけですから、なかなか区別がつかないと思います。
そこで、土地家屋調査士がする測量と測量会社の測量とはどう違うのかというお話をしたいと思います。
現地の地形や地物を正確に計測するという点では、全く変わりません。測量の手法も同じ手法です。しかし、その計測する目的が異なります。
測量会社の測量は現地にある地形や地物のあるがままを正確に測って、その後の道路を作ったり橋をかけたりするための基礎となる図面などの資料を作成します。
一方、土地家屋調査士がする測量は、土地の境界を測量したり、法務局や役所にある資料を調べたり、周囲の方と会って話を聞いたりして調査します。
そこに埋まっている杭は本当に境界を指しているものか、実際の権利関係を正確に表しているか、お隣同士でのちのち争いにならないかなどの判断をしていきます。
たとえば、里道や水路などの公用地の払い下げを受けるときの用途廃止の手続きでも、払い下げを受ける面積を確定するために測量する必要があります。払い下げを受ける面積を求めるだけであれば普通に測量すればいいと思われるかもしれませんが、払い下げの許可が出ると、その部分をあなたの所有の登記をしておくかなければなりません。そのためには登記ができるような測量がされていなければならないわけです。
境界について調査・測量、登記ができるのは土地家屋調査士だけです。そのために確定した境界についても責任を持つことになります。