法務局の地図と現地が違う

「法務局の地図と現地が違っているんだけど」というご相談をお受けすることがあります。

法務局には土地の境界を表す図面が備え付けられています。よくあるご質問で、「自分の土地はどこまでかわからない」ということがありますが、このような場合には、まず法務局に備え付けられている地図あるいは地積測量図といった資料を見られることをおすすめします。
このように、法務局の地図は一般に公開されており、法務局の地図を見れば土地の境界がわかるようになっているわけです。

では、土地の境界を表しているはずの法務局の地図と現地が違っているということはなぜでしょうか。

地図ができた後で現地の形が変わった

考えられる原因の一つめは、地図ができた後で現地の形が変わってしまったという場合です。たとえば、

  • 宅地造成された
  • 道路が新しくできた
  • 道路工事で建設会社が杭を移動させた

などです。

この場合には、宅地造成されただけで土地の境界は変わるわけではありませんので、法務局の地図や地積測量図などの資料を基に、境界を探し出すということになります。

地図に誤りがある

もう一つは、宅地造成など行われておらず、昔から地形が変わっていないのに地図と現地が違っている場合です。

法務局の資料といえども誤りがある場合がないわけではないということです。
法務局では、このような場合に地図訂正とか地積測量図訂正という手続きが用意されていて、これらの資料に誤りがあれば訂正できるようになっています。

ただし、法務局の地図などの資料は土地の境界を表していて一般に公開されているものですから、安易に訂正は認められず、十分な調査により、なぜ誤りが起こったのか具体的な根拠を示さなければ訂正が認められないのはいうまでもありません。

地図と現地が違うということを発見したら、地図と現地とどちらが正しいのかを見極めなければなりません。

地図に誤りがあるかもしれないのに、お隣に対して安易に「お宅の塀がうちに食い込んでる」などと言ってしまうことはもってのほかです。境界の争いになって長い間悩んでいる方も、お話を聞くとはじめはほんの些細な不注意からの行き違いで発展していくことが結構あります。

わたしたち土地家屋調査士は、いつもさまざまな場面を想定して調査をし、最善の解決方法を提案しなくてはならないと考えています。

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